日本では大腸がんは非常に多いがんです。
国立がん研究センターの最新統計では、2023年に新たにがんと診断された人は約99万3千人。その中で大腸がんは約15万4千人と、部位別では最も多くなっています。
ただし、ここで大切なのは、
「がんになる人の数が多い」ことと、「がんが急激に増えている」ことは同じではない
ということです。
日本では高齢化が進んでいるため、がんと診断される「人数」そのものは増えやすくなります。
また、検査技術の進歩や、検診・内視鏡検査の普及によって、以前なら見つからなかった小さな病変まで発見されるようになっています。
だから、ニュースで「がんが増えている」と聞いたときには、
「本当に発病する確率が急激に上がっているのか?」
と一度立ち止まって考えることも大切です。
「心配しない」のではなく「正しく心配する」
健康について大切なのは、何でも心配しないことでも、何でも心配することでもありません。
私は、「正しく心配する」ことが大切だと思います。
例えば、「便が以前より細くなった」という変化があったとします。
「きっと大腸がんだ」と決めつけてしまう必要はありません。
一方で、「年齢的にも、一度きちんと調べておこう」
と考えて、大腸内視鏡検査を受ける。
そして検査をして大きな問題がなければ、
「調べた結果、大丈夫だった。では、必要以上に心配するのはやめよう」
と日常生活に戻る。
これが「正しく心配する」ということではないでしょうか。
今の内視鏡検査は、昔のイメージとは違います
「胃カメラや大腸カメラは苦しいから嫌だ」
というイメージを持っている方も多いと思います。
もちろん個人差はありますが、現在は鎮静薬を使用して、検査中の苦痛や不安を軽減する方法があります。
鎮静薬によって、ぼんやりした状態になったり、眠っているような状態で検査を受けることもあります。
大腸内視鏡でも、鎮静によって緊張や苦痛を軽減することができます。
私自身も今回、胃カメラと大腸カメラを鎮静薬を使って受けました。
「こんなに楽に終わるんだ」というのが正直な感想でした。
もちろん鎮静薬には、血圧低下や呼吸が弱くなるなどのリスクもあるため、検査中・検査後の適切な管理が必要です。また、鎮静後は当日の車・バイク・自転車の運転はできません。
それでも、検査への強い不安や苦痛が理由で内視鏡検査を避けている方にとっては、「鎮静薬を使って楽に受ける」という選択肢があることを知っておいてほしいと思います。
大切なのは「怖がること」ではなく「確認すること」
今回、私自身も便の変化が気になったので検査を受けました。
結果は、胃には特に異常なし。
大腸にも大きな異常はなく、直腸に4mmほどの小さな病変が1個見つかり、その場で切除しました。
あとは病理検査の結果を確認するだけです。
つまり、心配した → 検査した → 確認できた → 必要な処置をした → あとは結果を待つ
というところまで進むことができました。
健康について不安になること自体は、決して悪いことではありません。
ただし、
不安を膨らませ続けるのではなく、必要なところで検査をして、結果を確認する。
そして問題がなければ、
「大丈夫だった」と安心して、また普段の生活を楽しむ。
それが、健康と上手につき合う方法なのだと思います。
「心配しない」より、「正しく心配する」。
そして、必要な検査はできるだけ楽に受ける。
そんな健康管理をおすすめしたいと思います。

