「年齢とともに脳は少しずつ縮んでいく」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。
ところが近年、運動によって脳の構造や働きにも変化が起こることを示す研究が報告されています。
特に興味深いのが「海馬」です。
海馬は、記憶や学習に深く関わる脳の領域です。
55~80歳の人を対象にした研究では、1年間の有酸素運動によって海馬の体積が増加し、記憶機能の改善とも関連していたことが報告されています。
つまり運動は、単に「気分転換になる」「体力がつく」というだけではなく、脳そのものにも良い刺激を与える可能性があるということです。
また、筋力トレーニングについても興味深い研究があります。
65~75歳の女性を対象にした1年間の研究では、週1回または週2回の筋力トレーニングを行ったグループで、計画・判断・注意の切り替えなどに関わる「実行機能」が改善しました。
ここで大切なのは、
「毎日、頑張らなければ意味がない」
ということではありません。
週1回の筋力トレーニングでも効果が確認された研究があるのです。
運動というと、「もっと強く」「もっと長く」「限界まで」と考えてしまいがちですが、健康のためなら必ずしもそこまで追い込む必要はありません。
むしろ大切なのは、無理なく続けられること。
そして、運動だけでなく睡眠や休息もしっかり確保することです。
身体を動かして、しっかり休む。
この繰り返しが、身体だけでなく脳にとっても良い習慣になっていくのかもしれません。
ウォーキング、軽い筋トレ、好きなスポーツ、ダンスなど、自分が「これなら続けられる」と思えるものから始めてみる。
健康づくりは、頑張り続けることよりも、続けられる「いい塩梅」を見つけることが大切です。
身体を動かすことは、身体を整えるだけではない。
もしかすると、それは「脳を育てる習慣」でもあるのです。
今日も無理なく、できることから。
身体を動かすことを楽しみながら、心身の軸を整えていきましょう。


