「土踏まずは、歩く時のバネの役割がある」
そう聞くと、少し意外に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
土踏まずは、単に足の形を保つためのものではありません。歩く時には、体重を受け止め、アーチがしなやかに沈み、蹴り出す時に戻ることで、衝撃をやわらげたり、前へ進む力を伝えたりしています。
まさに、足のバネのような働きです。
扁平足は生まれつきだけではありません
扁平足には、生まれつき足の骨格や靭帯の性質によるものもあります。
一方で、加齢や足のケガ、筋肉・腱の機能低下、体重の変化などによって、もともとあったアーチが徐々に低くなることもあります。
歩き方や足の使い方も、こうした変化に関係する要素のひとつです。
ただし、「外側に荷重するから必ず扁平足になる」という単純なものではありません。
大切なのは、足裏の荷重が一か所に偏らず、歩行の中で適切に移動しているかどうかです。
外側に荷重したままになっていませんか?
一般的な歩行では、
踵 → 足裏の外側 → 前足部 → 親指側
というように、体重が移動していきます。
足裏の外側に荷重すること自体は、正常な歩行の一部です。
しかし、外側に荷重したまま、内側へ体重を移せない状態が続くと、足の内側にあるアーチを十分に使いにくくなることがあります。
患者さんに歩き方を指導する際も、
「踵から着いて、外側、前足部、親指側へ移動しましょう」
と細かく説明すると、かえって難しく感じる方もいらっしゃいます。
そこで、当院では、
「踵 → 土踏まず → 親指の付け根」
という意識で歩いていただくことがあります。
これは、土踏まずに直接体重を乗せるという意味ではありません。
外側に乗りっぱなしにならず、足の内側へ体重を移していく感覚を持っていただくための指導です。
土踏まずを使うことが、アーチの機能維持につながる
土踏まずは、適切に荷重することで、しなやかに動きます。
そのため、
適切に荷重する → アーチがしなる → 足の筋肉や腱が働く → アーチの機能を維持しやすくなる
ということが考えられます。
ただし、アーチが下がっている場合でも、運動だけで必ず元の高さに戻るわけではありません。
骨格や靭帯の状態などによっては、アーチの形そのものよりも、痛みなく、しなやかに動くことを目標にすることも大切です。
つま先立ち運動も、足のアーチを支える運動のひとつ
つま先立ち運動(カーフレイズ)は、ふくらはぎだけでなく、足の内側にある後脛骨筋など、アーチを支える筋肉・腱も働かせる運動です。
足首を伸ばす動きの中で、足裏の荷重やバランスを整える助けにもなります。
ただし、回数を増やせばよいというわけではありません。
足裏全体で荷重する → 親指側へ体重を移す → 足首が内側へ倒れすぎないようにする
というように、足の使い方を意識して行うことが大切です。
足裏の重心を意識して、しなやかに歩く
土踏まずは、ただ支えるだけの構造ではなく、**適切に荷重することで機能を発揮する「動くバネ」**です。
歩く時には、外側に偏りすぎず、足裏全体で地面を感じながら、内側へ体重を移していく。
その意識が、足のアーチを活かした歩き方につながります。
「踵 → 土踏まず → 親指の付け根」
まずは、この感覚から歩き方を見直してみてはいかがでしょうか。
※足の痛みや強い変形がある場合は、無理に歩き方を変えず、足の状態に合わせてご相談ください。


