脳が疲れたとき

「何もしていないのに、頭が疲れている」

そんな感覚を覚えることはありませんか?

仕事のこと、将来のこと、人間関係のこと。私たちの脳は、目の前の出来事だけでなく、過去の後悔や未来への不安まで考え続けています。

こうした心の疲れに対する方法として、近年よく知られるようになったのが「マインドフルネス」です。

マインドフルネスは、今この瞬間に意識を向け、浮かんでくる考えや感情を、良い悪いと判断せずに受け止める考え方です。

実は、その考え方は日本にもともとあった「森田療法」とも共通する部分があります。

森田療法では、不安や恐怖を無理に消そうとするのではなく、そうした感情があっても、目の前の生活や行動に取り組むことを大切にします。

「不安がなくなったら行動する」のではなく、

「不安があっても、できることをする」

という姿勢です。

これは、心を無理に整えようとするのではなく、心の状態をあるがままに受け入れながら、日常を過ごしていくということでもあります。

例えば、仕事中に不安なことが頭に浮かんだとき。

「こんなことを考えてはいけない」と追い払おうとするよりも、

「今、不安を感じているな」

と気づき、目の前の仕事に戻ってみる。

それだけでも、考えにとらわれ続ける時間を少し減らせるかもしれません。

心身のケアでも、同じような考え方ができます。

体の痛みや疲れを感じたとき、すぐに「悪いところを治さなければ」と焦るのではなく、まずは今の状態に気づくこと。

そして、必要な休息や運動、施術など、自分にできることを少しずつ行うこと。

心も体も、無理に変えようとするより、今の状態を知ることから始まるのかもしれません。

禅や茶道、武道など、日本の伝統文化にも「今ここに集中する」という考え方があります。

キックボクシングであれば、相手の動き、呼吸、足の位置、重心。

一つひとつに意識を向けているとき、余計なことを考える余地は少なくなります。

日常生活でも、歩くとき、食事をするとき、仕事をするとき。

「今、自分は何をしているのか」に意識を戻してみる。

それは、特別な瞑想をしなくてもできる、身近なマインドフルネスです。

そして、以前お話しした「重心を意識すること」にも通じます。

体の重心がずれると、動きが不安定になることがあります。

心も同じように、過去や未来に意識が偏りすぎると、今の自分を見失いやすくなります。

そんなときは、

「今、自分は何を感じているのか」
「今、何ができるのか」

と、もう一度自分の中心に戻ってみる。

不安や疲れを完全になくすことが目的ではなく、それらがあっても、自分らしく日常を過ごしていく。

それが、心の重心を整えるということなのかもしれません。

今日も、無理に心を整えようとせず、あるがままの自分で。

できることを、できる範囲で。

心にも体にも、ちょうどよい重心を意識して過ごしてみませんか。


※マインドフルネスや森田療法は、心の健康を支える考え方の一つです。不安や気分の落ち込みが強く、日常生活に支障がある場合は、医療機関への相談も大切です。

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