
私たちは、子どものころから「自分の思いどおりにしたい」「自分で決めたい」という欲求を持っています。
子どもが自分の好きな服を選びたがったり、親に指示されると反発したりするのも、自分の意思で行動したいという気持ちの表れです。
こうした欲求は、大人になってからも続いています。
では、なぜ自分で決めることが、私たちの幸福感に関係するのでしょうか。
■ 自分で決めることと幸福感の関係
心理学には「自己決定理論」という考え方があります。
人間の心理的な成長や幸福に関係する基本的な欲求として、次の3つが挙げられています。
・自律性:自分の意思で選び、行動したい。
・有能感:自分にはできる、対処できると感じたい。
・関係性:人とつながり、受け入れられていると感じたい。
このなかで、今回注目したいのが「自律性」です。
例えば、同じ仕事をする場合でも、誰かに言われたから仕方なく取り組むのと、自分で納得して取り組むのとでは、気持ちが違うことがあります。
行動そのものが同じでも、自分で選んだという感覚があることで、主体性や充実感を得やすくなるのです。
■ 自分の思いどおりになることとは違う
ただし、ここで大切なのは、自己決定感と、自分の思いどおりになることは違うという点です。
私たちは、自分の意思ですべてを決められるわけではありません。
仕事や人間関係、健康状態など、自分の努力だけでは変えられないこともあります。
それでも、自分にできることを考え、そのなかから納得できる行動を選ぶことはできます。
例えば、健康が心配になったとき。
必要な検査を受け、結果を確認し、生活習慣を見直す。
自分にできる対策をしたら、その先のすべてをコントロールしようとはしない。
こうした姿勢も、自分の人生の主導権を持つことにつながります。
反対に、何でも自分の思いどおりにしようとすると、周囲の人や環境を変えることにエネルギーを使い、思いどおりにならないたびにストレスを感じてしまうかもしれません。
■ 自分で選び、現実を受け入れる
幸福感を高めるために、特別なことをする必要はありません。
日常生活のなかで、自分の意思を大切にすることから始めてみましょう。
・周囲に合わせるだけでなく、自分の気持ちも確認する。
・人の評価だけでなく、自分が納得できるかどうかを大切にする。
・できることと、できないことを区別する。
・自分で選んだことには、できる範囲で取り組んでみる。
・思いどおりにならないことまで、無理に変えようとしない。
もちろん、周囲の人と協調することも大切です。
自分の意思を押し通すことが、自己決定ではありません。
自分の気持ちを尊重しながら、他者の意思や現実とも折り合いをつけていくことが大切なのです。
■ 自分の人生の主導権は、自分で持つ
私たちは、人生のすべてを思いどおりにすることはできません。
しかし、その状況のなかで何を選び、どう行動するかは、ある程度、自分で決めることができます。
自分で決める。
自分にできることをする。
そして、自分では変えられないことは受け入れる。
このバランスが、心の負担を減らし、自分らしく生きることにつながるのではないでしょうか。
自分の人生の主導権は自分で持つ。
でも、人生のすべてを自分の思いどおりにしようとはしない。
そんな生き方を、日常のなかで少しずつ意識してみてはいかがでしょうか。
光整骨鍼灸院では、身体の不調だけでなく、日々を健やかに過ごすための生活習慣やセルフケアについてもお伝えしています。
身体も心も、無理をしすぎず、いい塩梅で整えていきましょう。

