頸動脈エコーと血液検査から考える
「コレステロールが高いと言われた」
「動脈硬化の検査を受けた」
「頸動脈エコーで血管が少し厚くなっていると言われた」
年齢を重ねると、このような話を聞く機会が増えてきます。
動脈硬化は、ある日突然できるものではありません。
高血圧、脂質異常症、血糖値の異常、喫煙、運動不足、肥満など、さまざまな要因が長い時間をかけて血管に影響し、少しずつ進行していきます。
だからこそ大切なのは、症状がないうちに現在の状態を知っておくことです。
■ 頸動脈エコーで「血管の状態」を見る
頸動脈エコーでは、首の血管の壁の厚さ(IMT)や、血管壁の盛り上がりであるプラーク、血管の狭窄などを確認します。
頸動脈は動脈硬化の変化が比較的現れやすい場所なので、全身の動脈硬化を考えるうえでも参考になります。
ただし、
「少し血管壁が厚い=すぐに危険」
ということではありません。
血管の壁の厚さ(IMT)は年齢とともに増加しますし、プラークがあっても、それだけで将来の病気のリスクをすべて決められるわけではありません。
大切なのは、頸動脈エコーだけで判断せず、血液検査や血圧、血糖、生活習慣などを合わせて考えることです。
■ 血液検査では何を見る?
動脈硬化を考えるとき、特に確認したいのが、
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
・中性脂肪
・non-HDLコレステロール
・血糖値、HbA1c
・血圧
などです。
LDLコレステロールが高い場合には、食事などの生活習慣を見直し、それでも十分に改善しない場合には薬物療法を組み合わせることがあります。
つまり、
「薬を飲むか、生活改善をするか」
という二択ではありません。
生活習慣を整えることは、薬を使う場合でも大切な治療の一部です。
■ 食事は「何を食べないか」だけではない
動脈硬化対策というと、
「卵を食べない」
「油を全部やめる」
「炭水化物を減らす」
など、何かを極端に制限することを考えてしまいがちです。
しかし大切なのは、食事全体のバランスです。
例えば、
・魚
・大豆製品
・野菜
・海藻
・きのこ
・雑穀などの未精製穀類
を取り入れながら、
・肉の脂身
・バターなどの動物性脂肪
・揚げ菓子や洋菓子
・過剰な砂糖や果糖
・塩分の摂り過ぎ
などを控える。
日本動脈硬化学会も、こうした減塩を意識した日本食パターンを動脈硬化予防の食事としてすすめています。
■ 運動は「激しく」より「続ける」
運動不足は、中性脂肪の上昇やHDLコレステロールの低下、肥満や血圧上昇などにつながります。
ウォーキング、速歩、水泳などの有酸素運動を継続することは、動脈硬化予防に役立ちます。
さらに、筋力を維持することも健康寿命を考えるうえで重要です。
大切なのは、
「一度頑張る」より「長く続ける」こと。
無理なく続けられる運動を生活の中に取り入れていきましょう。
■ 検査は「怖がるため」ではなく「方向を決めるため」
血液検査や頸動脈エコーで少し気になる結果が出ても、そこで不安になりすぎる必要はありません。
むしろ、
「今の自分の血管はどんな状態なのか」
を知ることができたと考えてみましょう。
そして、
食事を少し整える。
身体を少し動かす。
体重や血圧を管理する。
定期的に血液検査を受ける。
こうした小さな積み重ねが、何年後、何十年後の血管を守ることにつながります。
検査はゴールではありません。
検査結果をきっかけに、自分の身体との付き合い方を少しずつ整えていく。
それが、無理なく続けられる動脈硬化対策ではないでしょうか。

